「おい、瑠奈…あっ…」



「……」



追い掛けて来てくれた樹の気持ちは嬉しかった。

ヤキモチ妬いたけど、樹に笑おうとも思った。

けど、この状況で名前を間違えられたら、余計に不愉快。



「瑠奈さんと話したいなら、話して来たら?」



私は冷たい声で告げ、携帯と財布がシャツのウエスト部分のポケットに入ってるのを確認して家を出た。

気分転換がしたかった。

ーーブーッブーッ

何も考えずに歩いてると、携帯が震えた。

《相談があるんだ。駅前のファミレスに来れる?》

―――草介さんから。

私はいざとなれば八つ当たりでも何でもしてやろうと、ファミレスへと向かった。