たまに会えたとしても、携帯をちょくちょく弄ってて、「仕事が入った」と、私を残して帰って行く。

“浮気されてる”…
そう思ってしまう自分が嫌になって来る。

私が邪魔なら別れれば良いのに、会った瞬間に「会いたかったよ」と、抱き締めて、頭を撫でてくれる。

今の私は、本当に草介さんの彼女なのだろうか。



「縁!」



「…んー?」



後ろから呼ばれて振り返ると、財布を持った母親が立って居た。



「匠に車を借りて、卵とケチャップ買って来て?お昼ご飯、オムライスにするから」



「あ、うん…」



私は匠兄の車のキーを勝手に持ち出し、最近、玄関前の駐車スペースに放置されてる事の多いステップワゴンに乗り込んだ。