灯が優太を連れ、2人の実家へと行ってしまった。

車で3〜40分の道程だが、優太と車の安否が気になる。

母親は泣いてるだけで、もう話にならない。

マンションもいつの間にか優香の持ち物になってるみたいだし。

俺は頭を抱えながら、ダイニングテーブルの椅子に座った。

匠がコーヒーを出してくれると、保が隣に来た。



「優太たちマンションて、どんなとこ?」



「新しいな。確か築3年で、セキュリティ万全だった」



「そんなマンションを無人にしてて良いのか?」



「仕方ねぇだろ。親父たちが、“ここに住ませる”って言ったんだから」



俺はコーヒーを飲みながら保を見た。

すると、ジーっと保に見られる。