私は母親と兄2人を見ながら、「そうだったの?」言う。

3人とも初耳だったらしく、「知らなかった」と、声を揃えた。

私は「車の鍵、貸して?」と頼み、樹兄から鍵を受け取った。



「優太と迎えに行って来るけど、反対だけじゃなく、お母さんに、一つの案をあげるから、考えてあげて?」



私は母親の前に屈み、ティッシュを渡す。



「一度、優香の戸籍を河原に戻して、樹兄と結婚させて、豊嶋姓にするのもありじゃない?ま、小説の受け売りだけどね」



私は階段を降りて来た優太に鍵を見せ、「乗せてくよ」と告げた。



「……大丈夫なわけ?」



免許を取得してから2年弱。

4回目の運転です…;;