「よしよし」と、私の撫でる樹。

…妹みたい。

妹になっちゃったんだけどね。

悲劇が今日という日を作り出したとしたら、実に皮肉。

私は妹…―
私は援交をしてた…―
今は樹にOKの返事をしたらダメだよね。

一つずつ、片付けていかないと。



「樹…」



「ん?」



「樹は、待ってくれる?」



「“待つ”?」



「…うん。樹と付き合う前に、やっておきたい事があるの」



「それって…」



「樹が……やっぱ内緒(笑)」



樹は「わかった」と言いながら、少し拗ねているように見えた。