俺は指を一気に2本も増やして、動きも速くした。



「や、ヤダ…樹ぃ゛ー…!!」



…よし、来たー!!

俺は優香から手を抜き、ティッシュで手を拭いた。

ーーバンッ

強く開かれたドア。



「ふぇ…ん…」



顔を手で覆って泣く優香。



「―――お前、優香に何した?」



兄貴は俺を上から睨んでる。

俺は優香の肩を揺らした。



「お前、今、誰に助けを求めた?
いつもなら優太を求めるよな。
…優香の答え、ちゃんと出たな」



俺は兄貴の後ろに居た優太の肩を抱きながら、一階に降り、洗面所へと向かった。