すると、部屋のドアが開いた。



「あのさ…ちょっと良い?」



入って来たのは優香だった。

俺は「良いぞー」と出迎えた。



「おかえり、優香。柿の種、食べるか?」



俺はこたつに入って来た優香に柿の種を見せた。

優香は「いいや;;」と苦笑して、プリンに手を伸ばした。

牛乳屋が作ったらしいちょっと高いプリンの蓋を開けながら、優香が「好きって何?」と、訊いて来た。



「お前、恋した事あるだろ」



優太が回転椅子に座ったまま、床を蹴って近付いて来た。

優香は首を振り、「あれは彼氏って存在への憧れだったの」と、プリンを一口、食べた。