こんな状況でも酔いが覚めないって、どんなヤツだよ…。

俺は時々、匠へと振り返りながら走る。

大杉公園に差し掛かった時…中込に似たようなヤツを見付けた。

男と喋って居たが、近くを通れば、全くの別人。

俺は自分の目を擦りながら立ち止まると、匠が「あ…」と、前を指差しながら言う。



「「優香――ッ!!」」



優香が男に殴り飛ばされた。

喧嘩なんて高校時代にしてた位だが、これはやるしかない。



「汚い手で妹に触んな!」



ーードカッ

匠が優香を殴った男の後頭部を蹴飛ばす。

俺は優香を起こし、口から流れた血を拭う。