『卒業生、入場』 そう言った先生の声に、あぁ卒業するんだって実感が湧いた。 卒業前に何度も練習したせいで、なかなか実感がわかないんだ。 見慣れた風景が涙でゆがむ。 ボロい校舎、転んだ体育館、短距離走で1位をとった校庭。 カツラと噂された校長先生、怖かった学年主任、いつも味方してくれた担任。 全部今日で最後。 大好きな友達や、じゃれあったクラスメート、顔見知りなだけの同級生。こんなふうに集まるのも、今日で最後。 最後って思うと、急に愛着が湧いて、離れたくなくなる。