銃口はあたしと桐島ちゃんに向けられているようだ。




「喋るな。」




犯人は鋭い目付きであたし達を睨み付けている。




「……す、すみません」
「ごめんなさいっ!」




桐島ちゃんも怯えている演技をしてるみたい。




犯人は銃口をあたし達から逸らすと、再び監視を始めた。




「……隣の子は?怪我してんのか?」




桐島ちゃんは朱里を見ながら言った。




「うん。あたしと同じ四係SPだよ」



「そうか。怪我してるんなら協力は無理だな…水樹、ちょっと耳貸せ」




桐島ちゃんは犯人に気付かれないようにあたしに手招きをした。




「――…ということだ。協力できるか?」




「もちろん!じゃあ実行ね☆」




あたしは桐島ちゃんにウインクをした。











「――…水樹、そろそろ実行するぞ」




桐島ちゃんがあたしの耳元で囁いた。




「りょーかい。」




あたしはニッと口の端を上げた。