――あの後、あたし達は留架さんを総理官邸に送り届け、再び警護に付いた。




「二宮」




警護に付こうとしたら、緒方さんがあたしの名前を呼んだ。




「はいっ!何でしょうか?」




あたしは緒方さんの方を見た。




「月島の所に行ってやれ」




「へ?」




「警護なら俺と北野がいるしな。心配だろ?月島のこと」




ま、まぁそりゃ心配だけど…




「で、でも仕事をすっぽかしてまで行けませんよ…」




ホントは凄く行きたい。




朱里は大事な仲間だもん。
かなり心配だよ…。




「別にすっぽかすワケじゃない。仲間の様子を見に行くのも大事な任務だ。行ってこい」




“そうですよ”と北野さんも言ってくれた。




2人とも…
めちゃいい人だ…!




「じゃ、じゃあ…お言葉に甘えて…行かせてもらいましょうか…」



あたしはヘヘッと微笑んだ。




そして眠っている留架さんを緒方さん達に任せて、官邸を出た。




ちょっと歩いて、街に出るとタクシーを拾った。




そして健太から教えてもらっていた病院名を運転手さんに伝えた。



そういや、健太…
あの時すごく焦ってたな。




もしかして…健太、朱里のこと……。