――ヒュッ!




不審者はボウガンを放った。




――ふっ。




二度も引っ掛かるワケないじゃん。




あたしは素早くボウガンを避けた。




そして――




――バンッ!




「ぐはっ…!」




あたしは犯人の左肩に、一発撃ち込んだ。




その場に倒れる犯人。




あたしは手錠を出し、はめた。




「二宮!大丈夫か?」




緒方さんが小走りであたしに駆け寄ってきた。




「大丈夫ですよ〜。ただコイツが許せなかったんで」




あたしは犯人をグイッと無理矢理立たせた。




「そうか。とにかくコイツを署まで連行しよう。あとは公安部に任せるぞ」




「はいっ」




あたし達は犯人を駆け付けた警官に受け渡し、留架さんと北野さんが待つ車に戻った。




留架さんは未だにカタカタと震えている。




やっぱり狙われるんだね。
総理令嬢は……。




あたしは密かに思いながら留架さんの背中を擦り、慰めていた。