「どういった用事って…まぁちょっとSPの採用試験についてな」
「えっ!?戸田潤はSPになるんですか?」
「あぁ。なりたいとは言ってたな」
やっぱり…!
潤はSPを志望したんだ…!!
「…とまぁ、それはそうと…なんで二宮がそんなことを?」
う…
やっぱり緒方さんには話しておかなきゃいけないのかな。
係長だもんね…。
言わなくちゃ…!
「あ、あのですね!あたし…戸田潤さんと婚約してるんです」
「えっ!?婚約!?」
緒方さんは驚いたみたいで、目を見開いている。
「特殊部隊で一緒の頃から…付き合ってました。彼がSPになれたら、結婚するつもりです」
あたしはなんとなく恥ずかしくなって、頭をポリポリと掻いた。
「ほぉ…そうなのか。おめでとう。彼ならきっとすぐにSPになれるよ。地位も良いし、射撃能力も申し分ないし、武術にも大変優れている」
やっぱり凄いんだな、潤は。
係長の緒方さんに認められるくらいだもん。
相当の実力はあるんだろう。
「戸田くんならすぐに国家試験にも合格できるだろう。彼がSPとして来るのが楽しみだよ」
緒方さんは楽しみそうに言った。
あたしも潤に来て欲しい。
心からそう思った。