――数日後、警護第四係オフィス。
「――…え…?外出許可をもらいたい?」
案の定、緒方さんは驚いた顔をした。
「……はい」
あたしと健太は頷いた。
「……許可してやりたいのも山々だが…今は無理だろう。いつ何時、テロリストが総理令嬢を狙うか分からない。外に出すのは、あまりにも危険すぎる」
確かに…
緒方さんの言う通りだ。
外出するなんて…今の留架さんには、自殺行為と同じだと思う。
けど…
それを守るのがSPの仕事でしょ?
命を懸けて、要人警護をする。
それがあたし達の仕事――…
「……それは分かってます。けどこのままじゃ、留架さんの精神が壊れてしまいます。見てられませんよ…」
あの日以来、留架さんはますます元気を無くしている。
総理とも会えてないみたいだし
外出でさえ、許してもらえない。
それに、あたし達に出来ることは…ただ愚痴を聞いてあげる。
これだけだ。
「お願いしますよ、緒方さん…留架さんはもう限界です。十分頑張りましたよ」
健太がフォローに入ってくれた。
「「お願いします…!!」」
あたし達は声を揃えて頼み込み、頭を下げた。

