『はい、どちら様でしょうか』




ちょっとして、インターホン越しに使用人の声が聞こえた。




「失礼致します。警視庁警備部警護課第四係に所属しております、SPの二宮と佐々倉ですが…」




『はい、伺っております。どうぞー』




ギィィ…と音を立てて、門が重たそうな開いた。




「お待ちしていましたよ。さ、どうぞどうぞ!」




50代くらいの使用人のおばさんが出てきて、笑顔で迎えてくれた。



うわー…
広い家……。




「ありがとうございますっ!今日は頑張らせて頂きまっす♪」




健太がハイテンションに喋る。




コイツは……(笑)




「ふふ、元気なSPさんですわね。頼もしいわ」




使用人のおばさんはニコニコと微笑んだ。




「すみませーん!コイツ、ちょっとバカなんでっ!」




あたしは健太の頭に拳骨をくらわせた。




「いってーッ!おい、みず!テメェー…」




「うるさい!ちょっとは静かにしな!」




あたしは健太にアカンベーをした。




「うふふ。仲の良いこと。さ、ここがお嬢様のお部屋ですわ」




使用人のおばさんは、ある部屋の前で止まった。