「でも、なんでまた令嬢警護なんて…総理担当は1係じゃないんですか?」




朱里が不思議そうに緒方さんに問い掛ける。




確かに。
総理関係の仕事は1係のハズなのに…




「1係は総理の警護で忙しいみたいなんだ。2、3係も今、警護担当に当たってるみたいだからな。ちょうど空いているのが4係しかなかったというワケだ」




緒方さんは腕組みをした。




ははーん…
そういうことか。




「まぁとにかく今日から付くことになるからみんな準備をして表に集合してくれ。以上だ」




みんなデスクに戻り、準備を始める。




はぁ〜。
夏兄に断らなきゃ。




春兄にも会いたかったな…(泣)




「水樹、行きましょ」




「うんっ!」




あたしは準備を済ませると、朱里と一緒にオフィスを出た。




別室に移動し、銃を装備する。




「それにしても急すぎるわよね。令嬢警護なんて」




朱里は銃弾を確認しながら溜め息を吐いた。




「えっ!?もしかして朱里も予定あったりした!?」




「えぇ。彼と会う約束してたんだけど…ダメね」




朱里はあからさまに残念そうな顔をした。