「てか夏兄、今日仕事は?」




あたしは2人分のコーヒーを用意しながら聞く。




「今日は休み。今朝まで総理につきっきりでさ〜…マジ疲れたわ」



ハァ〜とソファに項垂れる夏兄。



「そっかぁ〜…お疲れだったね!」



夏兄は第1係だからな〜。
総理大臣担当だもんね。




「って水樹…お前、手ぇ怪我してんじゃん。任務のせいか?」




夏兄はあたしの包帯が巻かれた右手を見て言った。




「うん、逮捕しようとしたら逆ギレされてさぁ〜。ナイフでザクッとね!」




あたしはコーヒーの入ったカップを置き、苦笑いを溢した。




「そりゃドンマイだな…無茶すんじゃねーぞ〜?危ねぇから」




夏兄は笑いを溢した。




「で?夏兄、用事あったんでしょ?何?」




あたしは夏兄の前に座った。




「あぁ、あのな。来週兄貴が帰ってくるらしいんだ」




「春兄がっ?」




「そ。だから水樹も仕事なかったら実家に戻ってこれるか?」




春兄にも全然会ってない。




会いたいに決まってるっ!




「うん!行く行く!!」




あたしは笑顔で返事をした。