――警護第四係オフィス。
「おはよーすっ!」
あたしは元気良く挨拶をしながらオフィスに入った。
「おはよ、水樹」
「おーっす!みず!」
「おはよう、二宮さん」
朱里達が挨拶を返してくれた。
「あれ?緒方さんは?」
ふと係長のデスクを見ると、緒方さんの姿がない。
「あぁ、緒方さんなら今上の人と打ち合わせしてるみたいよ」
朱里がケータイをいじりながら話す。
「そっかそっか…」
あたしは呟くとスーツの上着を脱ぎ、デスクの引き出しから警棒や無線を取りだし身に付ける。
「今日のマルタイは都知事だよな〜!!」
健太がクルクルと椅子を回しながら言う。
「けっこう危険人物みたいだしな…気を付けないと」
北野さんは背伸びをした。
「まぁ…あたしらが警護する奴等なんて、みんな恨まれてるよーな人ばかりじゃない?」
朱里はクスクスと笑いながらケータイを閉じた。
「確かにっ!言えてるかも(笑)」
あたしは装備を終え、上着を着るとデスクに着いた。
「SPは“政治家のお飾り'なんて言われてるくらいだものね〜…こっちは命懸けで要人警護してるってのに心外よねぇ…」
朱里は溜め息をついた。
「お飾り!?ウザくない!?何それ〜!!」
あたしは思わず声を上げた。
「でもさー!あれはなんも考えてない一般人が話してることだろ?お飾りとかさっ!」
健太は拗ねたように唇を尖らせた。
「はは、お飾りなんて酷い話だな」
「か、係長っ!」
振り向くと、そこには可笑しそうに笑みを浮かべた緒方さんがいた。

