あたしはそんなことを思いながらも、診察室に入った。
中に入ると、白衣を着た若い女医さんがいた。
「えっと、戸田水樹さんですね?そちらにお掛け下さい」
「はい。」
あたしは言われた通り、椅子に腰掛けた。
「カルテによると…数日前から吐き気や目眩がしたと書かれてますね。あ、検査薬使ったんですか?」
女医さんはカルテを見ながら話す。
「あ、はい!そしたら陽性反応が出たんですけど…」
「そっかそっか…。じゃあこれから検査をするので、尿を取ってきて頂けますか?」
「はいっ」
あたしは看護師さんから紙コップを受け取り、トイレに向かう。
尿を取ると、治療室にいた看護師さんに渡した。
「じゃあ検査結果が出るまで中待ち合いでお待ち下さい。すぐにお呼びしますので」
「はい、分かりました」
あたしは看護師さんに軽く頭を下げると、中待ち合いで待った。
回りを見ると、お腹の大きいマタニティ服を着た女性で溢れ返っている。
あたしも…こんなふうになれるのかな?
ちゃんとこの子のママになれるのかな?
ううん!
なれるのかじゃなくて、なるんだ!
お母さんになるんだから…
強くならなきゃ。
あたしは心に強く誓った。

