「嘘なんかでこんなこと言うわけないだろーが」




あたしは鋭く健太を睨み付けた。




「あははっ…ご、ごめん…。」




健太は気まずそうに頭を掻いた。




「え、でもなんでいきなり朱里の元カレの話になったんだよ?」




健太は気になるみたいで、あたしをジーっと見てくる。




「……健太。教えてあげるからちょっとおいで」




あたしは健太に手招きをした。




「ん?お、おう!」




健太は素直にあたしに歩み寄ってくる。




この子は…ホント無防備だな。




マジでSPなのかな?(笑)




「――隙ありっ!」




「へっ!?」




あたしは素早く健太の腹に軽くパンチを入れた。




「ぎゃっ!な、何すんだよみず〜!!」




「あははっ!油断なんかするから悪いんだよ〜♪♪じゃね♪」




「あっ!待てよ、みず!」




あたしは鞄を持ち、オフィスを出た。




よし、明日も忙しくなりそうだし早く帰って休もう。