「月島です。戸田が体調を崩したみたいなんですが…はい、分かりました。了解です」




朱里が緒方さんに連絡を取ったみたいだ。




戸田?
あ、そっか。
あたし“戸田”になったんだ!
なんかまだ慣れないんだよね。




「今日は人数足りてるし、帰って休めだって。」




朱里は無線を切りながら言った。



「え、でも…」




「でもじゃないの。具合悪いんだから休んで早く治さないと、仕事にも支障が出るでしょ?体壊したら元も子もないわよ!」




朱里はあたしに言い聞かせるように言った。




「う…じゃ、じゃあ…帰るよ……」



「ん、ちゃんと病院行きなさいよ?」




「うん、ありがと」




あたしはゆっくりと歩き出した。



あ…潤にも言っておこうかな。
メールでいっか。




確か潤、今日は訓練日だったもんね。




『具合悪くて警護抜けてきちゃった(汗)。


今日はあたしが先に家にいるからね〜★』




送信っと…。




あたしはケータイをスーツのポケットにしまうと、タクシーを拾い、マンションまで帰った。