「…朱里」
「特殊部隊の彼と付き合ったのが間違いだったのか…それともSPやってるあたしが悪いのか…分からなくなった。あの時初めてSPを辞めたいと思った。」
特殊部隊の彼氏…か。
あたしの場合は婚約者だけど。
「朱里は間違ってないよ…」
あたしは呟いた。
「水樹…」
「彼氏が特殊部隊だろうが、自分がSPだろうが関係ないよ!好きになっちゃったら…相手を愛してしまったら、どうしようもないもん…」
あたしはギュッとスーツを握り締めた。
ホントのことだもん。
「……ありがとね、水樹」
朱里は困ったように笑った。
「水樹の彼は?どんな人なの?」
朱里は長い足を組んだ。
「えーとね〜!実はあたしの彼も特殊部隊なんだけど…」
「あら、そうなの?偶然ね!」
「うん!それでね、回りからも信頼されててカッコ良くて…ホントに自慢の婚約者だよ♪」
「ふふっ。そうなの?幸せそうね、水樹は」
朱里は微笑んだ。
「写真とかないの?」
「ん?写真か〜。ちょっと待っててね!」
あたしはケータイのフォルダを開いた。
確か前に隠し撮りしたやつが…(笑)
あっ!
あった!
「はいっ!この人だよ♪」
あたしは朱里にケータイを渡した。

