「キス……しちゃったんだ」
「……はい?」
キス…?
「そんで朱里は抵抗してきたんだけど、俺……どうしても朱里に気持ち分かって欲しくて…キスし続けた。」
健太は少し悔やむように言った。
「……健太…あんた…」
あたしは疑うような声を出した。
キスしたとか…
マジで…?
「……朱里は何て?」
「……やめろって言われて殴られた」
ぶっ!
殴られたとか…(笑)
「おい、みず!何笑ってんだよ!」
「あはは!別に笑ってないし!とにかくドンマイだね、健太」
あたしは健太の肩をポン、と叩いた。
「ドンマイじゃねぇよ〜…。でもさ!抱き締めたら受け入れてくれたんだぜ!?」
「……マジ?」
「マジマジ!抱き締め返してくれたしな!!」
健太は嬉しそうに話す。
コイツ…
かなり浮かれてるな。
あたしは心の中で、そう実感した。