「総理、大丈夫ですから、両手を挙げて下さい。とにかく今は犯人の言う通りにしてて下さい」




あたしは総理を励ますように言った。




「あ、あぁ…」




総理は冷や汗をかきながら頷き、両手を挙げた。




「おい、早くしろ」




犯人は苛立ったように声を上げた。




「今行くよ」




あたしはそう返すと、犯人に歩み寄った。




すると犯人はあたしの爪先から頭まで舐めるように見ると、ニヤニヤと笑い始めた。




「お前…ホント美しいな。スタイルも良いし。SPにしておくにはもったいない…」




男は銃口を向けたまま、あたしの体に触ろうとした。












――させない!




あたしは、バッ!と体勢を変えた。




バンバン!!




あたしは男の銃を持っている手を殴り付けた。




銃は引き金が引かれていた為、発砲してしまった。




ズシャアアッ!!




あたしは床に落ちた銃を遠くに蹴り飛ばした。




「何すんだ、テメー!!」




男はキレたのか、あたしに殴り掛かろうとした。




甘いね。




あたしはニッと不適に笑みを浮かべた。