このままじゃ総理に危害が加わってしまう!




あたししかいない。




今、動けるのはあたししかいないんだ。




総理は覚悟を決めたように目を閉じた。











――ダメッ!




あたしは思い切り走り出した。




――カチャッ!




……?




男が発砲しようとした銃は弾丸が入ってないみたいだ。




弾切れだ!!
今しかない!!




あたしは置いてあるパイプ椅子を弾き飛ばしながら走る。




男は倒れているSPの腰のホルダーから、銃を取り上げようとした。



あたしはその隙に総理を守るように立ちはだかり、パーカー男に向かって銃口を向けた。




そしてカチリと引き金を引いた――…。