――次の日、警護第四係オフィス。




「ん〜!彼女欲し〜〜!!」




健太が椅子をクルクル回しながら嘆いた。




「安心しなって。あんたに彼女なんか出来っこないから」




朱里が小馬鹿にしたように笑った。




「ちょっ!おい、朱里!ひでぇぞ…」




「はいはい!健太、そうカッとならずに…あたしが女紹介してあげるからさ!」




あ。
健太は朱里が好きなんだっけ。




しかし、朱里には彼氏がいる。




「おっ、マジか!?水樹サイコーじゃーん♪」




健太がわざとらしく笑った。
ホントは朱里を彼女にしたいんだろうな…。




「朱里!彼氏とは上手くやってるの?」




あたしは健太から話を逸らすように、朱里に話題を向けた。




「あ〜…別れたわよ」




朱里はダルそうに頬杖をつきながら言った。




へっ?




わ、か…れた?




「ど、どうして〜?」




「ん〜…なんか最近お互い仕事で忙しかったからすれ違いが多くてね…。別れちゃった」




エヘヘ、と苦笑いを溢す朱里。




そっか…朱里、別れたんだ。




「ま、アイツよりもいい男探して見せるわよ♪」




朱里はあたしを見ると、パチッとウインクをした。