ってあたし、何1人で騒いでんの!




変態じゃん!!(笑)




「あ〜早く帰って資料読もっ!」




あたしは鞄をわし掴みにすると、オフィスを出た。




すると。




「――…だーかーらー!!しつこいって言ってんでしょ!?これ以上言い寄られても困るだけだから!」




会議室から声が聞こえた。




ん?
この声って…朱里?




あたしは会議室に駆け寄ると、少し空いた隙間から中を覗いた。




そこには、朱里と…誰?
見たことのない男がいた。




しかもキショイシし……




「でっ、でも僕は君のことが好きで好きで…!!」




「だから無理だって言ってるでしょう?いい加減にしてちょうだい」




朱里は無愛想に言うと、男を睨み付けた。




うわー…
やっぱり朱里モテるんだな。




無理もないよね、あのルックスじゃあ…




「とにかくこれ以上言い寄ってくるなら、訴えるから!」




「えっ…そんな…!!」




男は今にも泣きそうな顔をしている。




「あたし忙しいから。じゃあね」




朱里は早口にそう言うと、部屋を出ようとこっちに向かって歩き出した。