「あぁ、ちょっと待っててね。お父さ〜ん!潤くんが来てるわよ〜!」
お母さんは立ち上がると、廊下から2階に呼び掛けるように声を上げた。
するとしばらくして、父が2階から降りてきた。
父は黙ったまま、ソファに腰掛けた。
相変わらず…無愛想なヤツ。
「初めまして。水樹さんとご婚約させて頂いています、戸田潤です。今日は改めて挨拶に伺いました」
潤は親父を真っ直ぐに見構えた。
「…水樹の父だ。よろしく。ところで君、仕事は何をしているのかな?」
は?
なんで…いきなりそこなワケ?
「水樹さんと同じ警視庁警備部の特殊急撃部隊という課に所属しています」
潤は至って冷静に答える。
「…そうか……。ということは、君は普通の男より死ぬ確率が高いということだな」
その瞬間、その場の空気が一変した。
「お父さん!なんてことを――…」
「おい、親父!」
「何言ってんだよ……」
お母さん達は顔をしかめて親父に反撃した。
な…に…言ってんの…?
あたしは怒りのあまり、拳を握り締めた。
殴り倒したい、コイツを。
なんでこんなヤツがあたしの父親なワケ?
「親父!ふざけんなー…」
「水樹」
立ち上がろうとした時、潤に肩を掴まれた。

