よし。
言っとくしかない。




「…あのね。あたしの父親のことなんだけどさ…」




「水樹の親父さん?…が、どうかしたか?」




潤は不思議そうにあたしを見る。



「うん〜…それがさ…あたしの父親…ちょっと……いや…かな〜りの人見知りでさぁ…」




あたしは気まずそうに頭に手を当てた。




やっぱり嫌だよね。
人見知りな親父なんて…




「ははっ、そうなのか?大丈夫大丈夫。俺の方から話し掛けさせてもらうよ」




潤は優しく笑うと、あたしの頭をポンポンと撫でた。




「ん…ありがと。」




あたしはそんな潤に安心したように表情を崩した。




「あっ!お母さんと兄貴達は大丈夫だからね!むしろ夏兄はうるさいし!お母さんもうるさいし!春兄は…おっとりだけど。」




「ぷっ。水樹のご家族は面白そうな人達ばかりだな(笑)」




潤はカーナビを見ながら、クスクスと笑う。




「あたしがこんなカンジだからね〜。あ!今度、潤のお家も行きたい!」




「いいよ。今日は挨拶も兼ねてるし。家にも挨拶来てよ」




「あ、う、うん!」




あたしは戸惑いながら返事をした。