――ガシッ!
あたしは犯人の持っていた銃を取り上げ、誰もいない場所へ投げ捨てた。
「きゃあああっ!!」
「いやーっ!」
突然の銃声とあたしの行動に、ロビーにいる人達が悲鳴を上げる。
そして犯人の腕をねじ伏せ、逃げられないように固定した。
「クソッ…離せ!」
「ふっ、残念。もう逃げられないよ」
あたしはフッと不適に笑った。
「水樹!大丈夫か?」
桐島ちゃんが駆け足であたしに寄ってきた。
「うん、大丈夫!とにかく人質を解放しよう!」
「あぁ」
桐島ちゃんは頷くと、人質の人質に外に出るように促し始めた。
良かった…
怪我人や死者も出なくて。
「――お姉ちゃん」
後ろから声を掛けられて、振り向いた。
見るとそこには…4、5歳くらい?の可愛らしい男の子が立っていた。
「なぁに?」
あたしは優しく答える。