「うぐっ!」
犯人は手を押さえた。
あたしは素早く犯人を後ろから押さえ付けると、足の関節に蹴りを入れ、トイレの角に引きずり込む。
――ドッ!ドッ!
「――かはっ!」
犯人はあたしの後ろ側にある壁に力一杯にあたしの体を押し付ける。
そのせいで背中に痛みが走り、あたしは思わず苦痛の声を漏らした。
すると犯人はそれを良いことに、角から抜け出そうとする。
――ダダダダッ!!
犯人はあたしに押さえ付けられたまま宙を舞い、壁を走った。
ドシャアアッ!
あたしと犯人は床に滑り、倒れた。
キレた犯人は、あたしに向かって足早に歩いてくる。
「――甘いな」
犯人の後ろから低い声が聞こえた。
――ドスッ!!
桐島ちゃんは犯人の前に立ち、壁に両腕を頭の上で固定すると、腹に思いきり拳をいれた。