いつもの朝…


「鈴鳴~早くしろって!」


「ちょっと待ってっていってんでしょ!?待ちなさいよ!」


ガチャ

あたしは力強く、玄関のドアを開けた。


「ったく、おせぇよ鈴鳴!」


そう言って、玄関の前にたっているのは、あたしの幼馴染…

『瀬名 宙音(セナ ヒロト)』

宙音はチビでバカで、明るいだけが取り柄の男の子。


「誰がチビでバカだ!?」


「ちょっと!
あたしの心読み取らないでよ!」


「…宙音は読み取ってない…鈴鳴が…声に出してた…」


そう言って宙音の隣に居るのは、謡。

『明瞭 謡(メイリ ウタイ)』

謡は、中学になってからできた、友達。

無愛想だけどイケメンだから、女子から人気があって、謡ファンクラブなんてのもあるらしい。

…で、
あたしこと、鈴鳴…

『有愛 鈴鳴(アリア スズナ)』

は、只今中学二年生、13歳。帰宅部。


「つかヤバくね!?
この時間…リアルに遅刻だって!」


「…鈴鳴が…遅いから…」


「仕方ないでしょ~女の子は支度に時間かかるもんなのっ!」


本当は寝坊しただけだけど、まぁ黙っとこ。


「行くぞっ!ダッシュ!」


「…おぅ…」


「え!?ちょっと待ちなさいよ、二人とも!」


二人ともあたしをおいて猛ダッシュした。

いやいや、マジで?
酷くない?少しはあたしを待ちなさいよ!


「…ったく、遅えよ、鈴鳴。」


「宙音達が早過ぎるの!
もういいよ、先に学校行っといて~」


別に遅刻したって死ぬわけじゃないし。


「はぁ?何いってんだよ…
あぁも~…ほら、行くぞっ!」


宙音はあたしの手を握って、走った。


「…ちょ、ちょちょちょっ!?
宙音…っ////」


ヤバイ…

そんなのされたら…心臓もたないじゃない!
走ってるせいもあるかもしれないけど、心拍数、ハンパない。

ってかドキドキが宙音に聞こえそうなんですけどっ!


「…いいからっ!
…手、はなすなよっ////」


宙音の顔を見ると、宙音は耳まで赤くなってた。

…宙音も照れてるんだ。