『遅いぞ。8分遅刻だ』


扉を開けて1番先に俺達の視界に入ったのは長身・黒髪・眼鏡の少年


『相変わらず時間に厳しいなぁ、アキラは』


ジュンがヘラヘラ笑いながらアキラの肩に手を置くと、アキラはすぐにジュンの手を掃った


『時間を守るのは当たり前だ。それともお前はそんな当たり前の事も出来ない馬鹿なのか?』


『いや…俺が遅刻したんじゃ……』


淡々と意見を述べるアキラにジュンは、しどろもどろといった感じで俺らに助けを求める視線を送る


その視線に気付いたキララが真っ先に口を開いた


『ジュンさん、言い訳はいけませんよ?言い訳は』


そう言って、キララ…改め、魔王はジュンに向かってウインクする


こいつ……恐ろしい


キララの言葉に一層、涙目になったジュンを見兼ねた俺は深いため息を漏らした


やっぱり俺が助けんのか……


『キララ…遅刻したのは俺らだろ』


俺が助け舟を出せば、ジュンの顔が明るくなっていく


『さすがレオ!!!大好きレオ!!!』


『うざい、キモい、離れろ』


『酷ッ!!!』


抱き着いてきたジュンを即座に離すと俺はアキラの方を向いた