♂見習いサンタ♀



『おーい!!お前ら遅すぎんぞ!!!』


俺が虚しく心の中で叫ぶと、遠くから聞き慣れた声がした


目をこらして見れば、向こうの門の前で俺達に向かって手を振っている男が居る


『朝から煩いですねぇ…』


キララは向こうの男を見付けると、嫌そうに口を開いた


こいつ…マジで魔王だよ!!!


怖ぇよ!!!


『お前、本当に毒舌だよな』


『ん?何か言いました?』


『すみませんでしたー』


殺気に満ちた笑顔を見せたキララに、俺はこれ以上言うのは危険だと思い、素直に謝った


キララは敵に回すと絶対に厄介なタイプだ




………殺される




『だから走れよ!もうみんな待ってるんだって!!』


門の前の男がまた俺達に呼び掛ける……が、俺達は男の発言を華麗にスルーして歩く


『な、何で走らない!!?』


『だってお前の言う通りにするの……なんか嫌だし』


『私もです』


『お前ら性格黒ッ!!!』