まだ嫌そうな顔をしているキララに俺は呆れた様にため息をついた
イジメだ……確かにイジメだ
『人の病室で……何してんの?』
突然、ジュンから女の声が聞こえた
『とうとうジュンもそっちの世界に……』
『え?何が!?』
俺が軽蔑した目線を送れば、ジュンは何が何だか分からないといった表情を浮かべる
さっきの声は……ジュンじゃない……?
じゃあ………
『誰ですか?ジュンさんの後ろに居るのは』
キララはジュン(正確に言うとジュンの真後ろ)を睨みながら言う
ジュンは「あっ!」と言葉を漏らすと、直ぐさまその場からどいた
『貴女こそ誰?人に名前を聞くときは自分から名乗りなさいよ』
何だか見覚えがある少女がキララに言葉を投げ掛ける
不機嫌だったキララが更に不機嫌になった
ヤバい、かなりヤバい!
『ジュンさん…誰ですか?この薄汚い女は』
『貴女の方が薄汚いでしょ』
『私が薄汚く見えるのなら貴女は眼科に行った方がいいです』
張り詰めた空気が病室を取り囲む