微かに消毒液の臭いがする一室で俺達は椅子に座ったまま、かれこれ30分くらい女の帰りを待っていた
キララがしびれを切らしたのか、それとも…黙って待っているのがしょうに合わないのか、つまらなさそうに口を開く
『やっぱり…ご臨終じゃないんですか?』
『だから、そんな事になってみろよ!何の為にここに来たか分からなくなるだろ!!』
『そうですけどー』
あれだ……こいつ、飽きたんだ
居るんだよなぁ……自分でやるとか言っといて直ぐに投げ出す奴……
ガキだ……こいつの脳内ガキ以下だ
『ガキじゃないです、燃やしますよ?』
『読心術!!?』
これから、こいつの前では心を無にする事を誓います、ハイ。
俺が心の中でそう誓いを立てたのと同時に扉がガラッと開いた
入口を見てみれば見慣れた顔が「何で?」とでも言いたそうな表情を浮かべて固まっている
『外で反省してたんじゃないんですか?ジュンさん』
キララの言葉にジュンは我にかえったのか「え……」と言葉を漏らす
『いや…そろそろいいかな?…て』
『良くないです、出ていって下さい』
『イジメだよ!?これイジメだからね!?』