リルル様は黒いファイルを手際良くペラペラとページをめくっていく
しばらくすると、目的のページが見付かったのか、リルル様の動きが止まった
ページが開かれたファイルをリルル様は無言で俺達に手渡す
『遠山……刹那?』
目の前のファイルには1人の少女の写真と、データが記されていた
遠山刹那[トウヤマ セツナ]
俺達と同い年で人間界に住む人間
2年程前から病気にかかり、入院生活をおくっているらしい
『この女が……課題?』
俺は首を傾げる
どうやら他のメンバーも訳が分からないらしく、俺と同様に首を傾げている
意味が分からない
『課題は……その少女に笑顔を届けること』
『この少女に笑ってもらえばいい…って事ですか?』
キララの質問に対し、ジジィは深く頷いた
どうやらそういう事らしい……
『期日は12月25日の23時59分まで』
ジジィは淡々と説明していく
クリスマスが終わるまでが期日らしい……
だが、後2週間近くもある
『こんなの簡単じゃん』
ジュンが俺の持っていた黒いファイルを取ってデータをジーッと眺める


