『謙ちゃん!!』 くるっと振り返って笑顔を向ける。 声は出ないけれど、あたしの言ったことが分かったのか、 「そうだぞー、謙兄ちゃんだぞ!」とにこやかに返事を返してくれた。 謙ちゃんは、あたしの従兄弟で、お兄ちゃん的存在。 声が出なくなっても、いっつも一緒にいてくれたんだ。 .