『そうだ、これ。』 はっと思い出して謙ちゃんに茶封筒を差し出す。 そういえば忘れ物を渡しに来たんだった。 「真由ーっ、ありがとなっ!!これ、今日使うはずだったのに忘れて、葉月にめっちゃ怒られたんだよなぁ…。」 「葉月ぃぃいっ!!」と部室に駆け込んで行く謙ちゃん。 葉月って誰だろう…? 考えていると、宮下くんが口を開いた。 「葉月先輩は、マネで、川村先輩の彼女。」 えっ?? 『なんで聞きたいことが分かったの!?』 一生懸命伝えようと、手話を交えて訴える。 .