仲良くなりはじめてから、もしかしたら高原も俺のこと…という期待をしなかった訳じゃない。 でも、"つい最近知り合ったばかりの俺"が、"昔から好きな奴"な訳ないし。 ましてや、そんなに昔から好きな奴に、勝てる訳がない。 俺は空に顔を向けた。 皮肉にも、空は赤く染まって綺麗で。 「失恋…か。痛いなぁ…」 そう呟いた声は、誰に聞かれることもなく、空へと消えていった。 .