「孝、秘密組織を作ろう!」
全ては、朔のこの一言から始まった。
「え?」
「行くぞ、孝!」
「うわ?」
朔は、突然僕の手を引いて駆け出した。
そして辿り着いたのは、空き教室だった。
「ここが…俺達の会議室だ!」
「えと…」
キラキラした瞳で朔は、宣言する。
国東朔。
僕のクラスメートで、ちょっと変わり者。
褐色のボブに深い藍眼をした、女子から相当受けの良いルックスをしている。
「後は、届をだすのみだな」
「ちょっと待った!まずどういう組織なのかも分からないし、隊員が五人はいないと届は出せないし、第一何で僕がこんな事に巻き込まれてるのか分かんないし!」
「一辺に質問するなよ」
「まずだな…この組織は、学園の平和を守る秘密組織!その名も…ghmhだ!」
「…」
「次に…隊員はまあ何とかなるだろ」
「…」
「最後に…お前は隊員一号!因みに俺は、隊長だ!」
「帰る」
「は?」
「馬鹿馬鹿しいから帰る」
がしっ
「孝…お前、俺を見捨てる気か?」
「…」
恐い。
「…分かったよ」
「よし!」
「それじゃあ明日から隊員集めだ!いいな?」
「はいはい」
うわ…何か物凄い面倒な事に巻き込まれてしまった。
先が思いやられる…。