「さおは相変わらず女の子からモテるわねぇ」

私と仲のいいヤツらは、私の事を『さお』と呼ぶ。

旭はさっきのハート型手紙を見て、呆れた様なため息をついた。

「そういうアキラは男にモテるだろ」

私はチラッと周囲に目をやった。

旭が髪をかきあげるだけで、周りの男共が鼻の下を伸ばす。
彼女は、同じ女の私から見ても色気を持っている。

サラサラの長い髪、スタイル良しの身体、ちょっと気の強そうなつり目。

これで名前さえ可愛ければ、と良く言われるが本人は気にしていない。

旭は中学生になって、自分が女だと意識し始めた頃に仲良くなった唯一の女友達だ。


「さおだって髪伸ばせば男子にモテると思うけど」

「別に男にモテたいと思わねーし」