オリオールの乙女


しかしボドワンさんは全てを見透かしたように、こう言った。

「分かっているよ。あいつのことだろう。大丈夫だよ。心配せずとも、必ずやって来る。今までのようにな」

そしてボドワンさんは、お茶目にウインクをしてみせた。

ノエルは、それだけで十分だった。胸が跳ね上がりそうだった。頬がひどく上気している。
今まで刺激することを忘れていた心のある部分が、強く外から叩かれた気分だった。

「ありがとう、ボドワンさん!」

ノエルが精一杯の愛情を込めてそう言うと、ボドワンさんは目尻のしわを込めて微笑んだ。

頑張りなさいよ。彼はその言葉を込めた顔をして、ノエルの部屋をあとにした。

彼が静かにドアを閉めると同時に、ノエルはベッドに倒れ込んだ。嬉しくて嬉しくて、心が熱くなった。

彼が来る。ノエルは、指に力を込めてシーツを強く掴んだ。