彼らは一年の実りある年に感謝し、様々な収穫物や花を川に流してデュタ星への祈りを捧げるのだ。
その日を境にシヴァ川は増水し、また種まきの季節が始まり、川の水が減っていくにつれて作物も実り、こうして一年の周期が成り立っている。
デュタ祭の日、人々は太陽が昇るまで踊り続け、ワインを飲み、おしゃべりに花を咲かせ、そしてよく笑った。
この日だけは、国が盛大に盛り上がる日だった。
ノエルもデュタ祭が大好きだった。
しかし、デュタ祭が終わった6日以内に新女王を決めるという掟を聞いて、彼女は内心不安でいっぱいだった。
彼女は何となく、自分の唇を指でなぞった。すると、あの日の夜の光景がありありと蘇ってくるのである。
彼女は、ため息をついた。
あれ以来、ギルとは会っていなかったからだ。

