人口の多いルカッサは職業もばらばらで、農夫もいれば芸術家もいたし、騎士や修道士、大道芸人や教師など様々いたが、彼らのいいところは身分差別がないところだった。
そうして彼らはそわそわし始めていた。
なぜならもうすぐ、デュト祭という一年の締めくくりの大きなフェスティバルがあるからだ。
ルカッサの人々はそれはお祭り好きで、度あるごとに祭りをしていたが、これは西洋大陸共通のフェスティバルだ。
一年の終わりに、デュトという大きな星が夜空の一番高いところにくる日で、それを合図に大河シヴァの水が増すのである。
そうしてシヴァ川の水は逆流し、デュタ星に一番近い大きな山へと登ってゆく。

