星屑の残像が残る中、二人は口付けを交わした。
暗いカーテンに囲まれたような夜の外、シャルロワ城のテラスで二人は誰にも邪魔されないひと時を味わっていた。
ノエルはようやく確認した。
二人の中に、同じ想いが流れているのだと言うことを。
遥か遠くで月だけが、延々と二人を照らしていた。
そのそばで、邪悪な影が月の光から逃れるようにしてひっそりと潜んでいた。
◇
いつしか暦も変わり、レトウという収穫の季節になっていた。一年も、そろそろ終わる。
「今年もいい葡萄が取れて、いいワインができそうだわ」
ある農婦が言った。
ルカッサの特産物は、ワイン、レモン、そしてオリーブだった。

