ジュラームのたった一つの右目が、きらりと光ったのを見つけた。覗いてみると、あの王冠の紋章が小さく刻まれていた。
すると、ノエルのペンダントが反応した。胸元で激しい光を散らすと、ジュラームの体の先を指し示したのだ。
「どうしたの?」
ノエルは、驚いた表情でその光の先を見つめた。
奥は闇が深く、風のひゅうひゅうという不気味な音が聞こえるだけだった。
しかし、このペンダントが強く反応している。奥は闇だ。彼女はいつも恐怖心に負けて、先へと進んだことはない。
だがノエルは、意を決してその暗闇へと足を踏み入れた。
真っ暗闇の中、ペンダントの青白い光だけがさしている。両脇には、今にも動き出しそうな古い鎧たちがずらりと並んでいた。
ノエルは、恐怖に耐えるようにして、両手をぎゅっと結んだ。

