オリオールの乙女


すると、ファジールはノエルの首飾りに口付けをした。次の瞬間、首飾りが突然七色に光り始めた。
小さい光だったが、ノエルはそれを手に取ると、ミルバのウロコをじっくりと見た。

すると、中からあのワドレーヌ大聖堂の壁画と同じ王冠の紋章が浮かび上がってきた。

「これは……」

ノエルはそれを両手で包み込んだ。

――そのペンダントはルカッサのまことへのパスポート。それを誰にも渡しては駄目。
あなたはオリオールにふさわしいプリンセス。

「お前……!?」

ノエルの頭の中に、柔らかい声が響いた。ノエルは驚きの表情でファジールを見つめた。

するとファジールは小さく頷いたかと思うと、背を向けて城の出口へ歩いていった。

「放て!!」

次の瞬間、ノエルの背後からバルバラの大声が響いた。