誰が彼女を群青色にしようと決めたのだろう。ノエルはふと思った。
「……お前も私とそっくりだったわね。ここでしか生きられないの。
この世にお城がなかったら、私たち見捨てられていたかもしれないものね」
ノエルはココットの細長いしっぽを弄った。どこかで見つけた赤いリボンを、可愛く結んでやる。
ノエルが可愛くちょうちょ結びにしてやると、ココットはそのままどこかへ歩いて行ってしまった。
「ノエル、ここにいたのね」
ココットと入れ違いにやって来たのは、母ディディエだった。
「……母上」
ディディエは何も言わず、ノエルと同じようにテラスに腰を下ろした。
「私、あそこで笑ってワルツを踊っているほうが正解だった?」
ノエルは母に尋ねた。ディディエは、優しく微笑んだ。
「いとしいノエル。あなたはルカッサの美しきプリンセスよ。
あんな人と無理して交わす必要はないわ。胸をはって」
「でも、私プリンセスなんて嫌いよ」

