「あっ!」 畑を歩いていると、ノエルが突然声をあげた。 「見て!何かいるわ!」 視線の先には、小柄な見たこともない動物がちょこん、と座っていた。 「見たことのない動物だわ。可愛らしい」 「俺たちを見ているのか」 ギルも、その動物に釘付けだった。 ノエルが、ゆっくりとその動物に近づいてゆく。 「ほら、おいで。いい子だから」 グレーの目で優しく見つめながら、ノエルはその動物に語りかけた。 ノエルをじっと見つめていたその動物は、ぴょんっと身を翻してあっちへ行ってしまった。